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モスモス−もう一人の自分を楽しめる場所−3話

ライター:空色のカンガルー


送って少しして、突然編集部から電話が来ました。

 「『お面屋』のコーナーで大賞に選ばれました。
  つきましては、商品としてオリジナルの名刺をお作りしますので、
  お名前、ご住所、郵便番号、お電話番号をお教えください。
  ただし、名刺の肩書きは『マスククリエーター』となりますが、よろしいでしょうか?」

びっくりしました。
まだ1度しか掲載されていなくて、今回も掲載されればいいや、と思っていたからです。
それが、大賞とは。しかも、あんな手抜きの作品が。
 (事実、作品のコメントには「楽しましたね。」とあって、読んで汗が出てしまいました。)

大賞に選ばれた人が、どんな賞品をもらえるのか知らなかったのですが、
オリジナルの名刺、しかもオリジナルの肩書き、さらには作品の写真入り、というのがいかにもモスモスらしくて、
程なく送られてきた名刺のゲラ刷りをみて、本当にうれしくなってきました。

そして、「神田本の町」の紙袋で作られたお面(というか覆面)は「モスモス」に掲載され、
私も大賞受賞者の仲間入りをしたのです。名刺も送られてきました。
この号では「乱鳥漢和辞典」(創作漢字コンテスト)でも作品が採用され、二重の喜びでした。

名刺はひとまず使い道がなく、しまっておいたのですが、その年の初夏に北海道へ行ったとき、
同じ宿に泊まりあわせた人たちに何の気もなしに配ってしまい、今では3分の2ほどしか残っていません。
今思うと少々残念です。

友人からの反響は少しだけありました。
友人達の多くは大学を出て、離れて住んでいましたが、
掲載後まもなく、 初めてモスに行った時に一緒だった友人から、
 「おまえ大賞とっただろ。やるじゃん。面白かったよ。」
と言われ、少しばかり鼻高々になっていました。

この大賞受賞の経験によって、「モスモス」が私にとって、
普段の私とは違った自己表現ができる場であると思うようになりました。
年にたった4回ではあるけれど、日頃の自分から離れて、
気楽な気持ちで楽しみながら作品(と言えるかどうかわからない雑多なものばかりだったけれど)
をこしらえる時間は、私にとって、なんだか「もう一 人の自分」を楽しんでいるかのようにも思えていました。

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