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モフオフのあとしまつ−7話

ライター:ブロイラー


作品を満喫し、ハウスから出ると、入り口近くのテーブルで大西さんとsevencatsさんが
今後のシゲチャンランドのウェブサイト運営をどうしていくかの打ち合わせをしていた。

 「ご一緒してもいいですか?」
 「どうぞどうぞ」

ランド休館中も楽しめる企画を、ということでsevencatsさんが企画を提案し、
大西さんは煙草をふかしながら企画を詰めていく。sevencatsさんは几帳面にメモをとっていく。
ランドのホームページはとても丁寧に運営されている。
(この日の打ち合わせで決まった大西さんの写真や漫画を載せるコーナーは実際実現した)

打ち合わせが一段落し、世間話などする。
大西さんは社会問題の話などをするがこれはちょっと意外だった。
大西さんは今は田舎で新聞もとらずテレビもないという暮らしをしておられるので、さぞかし制作に没頭されていて
仙人のように俗世間からは離れているのだろうと勝手なイメージを持っていたからだ。
確かに情報源はラジオくらいだが、本はよく読まれるらしい。
大西さんは子供が希望を持てない最近の日本を嘆きながら煙草の煙を吐き出していた。

モスモスの話も伺ってみた。
モスは当時モスモスのために年間約1億もの予算を投じていたらしい。
また、モスモスは文章を書く人、デザインする人、イラストを描く人、それぞれが納得した上で制作するため、
他の仕事より、出来上がってから「これは違うな」と思うことが少なかったという。
本当に贅沢に、そして大切に作られた雑誌だったのだと感心する。
もうこんな雑誌は2度と出て来ないんじゃないかと思った。
大西さんは最近気骨のある編集者が少なくなった、とも言った。

ココさんが温かいコーヒーを入れてくれた。美味しい。
こういう何気ないことがランドでは本当に心地よい。
日が傾き、だんだん気温が下がってきたので、ヘッドハウスに移る。
モスモスなどを飾った色とりどりのヘッドハウスの住民に囲まれながら話をしていると、
大西さんが連載を持っている北見のタウン紙「みんと」の編集をされている方とハチあわせるということもあった。

この後、オンネトーに行く予定だったので、あまり暗くなるとまずいのだが
つい時間を忘れて長話をしてしまった。大西さんと話しているとこうなってしまうのだ。
初対面の、しかもすごいアーティストなのにそんな感じをさせない。

 「明日はオフでまた伺います。では。」

sevencatsさんの車に乗り、ひとまずランドを離れた。
大西さんとココさんが駐車場のところで見送ってくれた。
本当に不思議な時間を過ごしたという余韻がまだ残っていた。

ここからsevencatsさんの車でオンネトーに向かった。
ここは湖底から出てくる有毒な天然ガスのため魚が一匹もいない。
澄み切っていて、何ともいえないハッとするような色をしている。
もう大分日が傾いてしまったので、以前写真で見たような幻想的な湖面の色は見えなかったけれども、
湖に向かった倒れた木の幹に乗り、死の湖の空気に思いを凝らしてみた。
本当に美しい色の夕焼けが湖面を優しく照らしていた。

sevencatsさんはその後、宿のある阿寒のまで送ってくれた。
その頃にはもうすっかり陽が落ちていた。

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