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モフオフのあとしまつ−9話

ライター:ブロイラー


モンベルの青いウィンドブレーカーを着た男性があたりを伺うようにランドにやってきた。
その様子から何となく空色のカンガルーさんだと分かった。

「言はで思ふぞ」「だからだめなんだ」などのペンネームを使い分け、
モスモス編集部からMVPに選ばれながらも辞退した方だ。
サイトではとても丁寧な言葉遣いをし、考え深いげな印象を覗かせる。
かと思えば、以前ランドで購入した大西さんデザインの時計を2回もなくすという、
失礼ながら間の抜けた感じもある。
正直お会いするまで、どちらの空色さんが実像なのかと思っていた。
実際にお会いしての第一印象は後者だった。

空色さんは群馬から日帰りだ。
4時起きで来られたという。ランドに滞在できる時間は僅か3時間。
本当によく来ていただいたものだ。

空色さんを交えて話をする。
しかし、空色さんは皆の話している様子や、子供たちが積んである流木に登って遊んでいるのを
眺めたりしていることが多く、あまり話に参加されなかった。
折角強行スケジュールで来られたのに楽しんでいただけてるのかな、と老婆心ながら心配したりしていた。
後で聞いたところ、やはり疲れていたということと「初対面の人たちばかりだと、自分のことをわかってもらいたくて、
どうしても自分のことを話す一方になり、皆さんに不快な印象を与えてしまうと思い、聞く方に徹しました。」ということだった。
空色さんの考え深い一面を見た気がした。

筆ペンで記念に何か書いて下さい、とお願いすると、達筆でさらさらと書き上げていただいた。

 秋の終り
 心あたたまる
 ひとときを
 ありがとう


大西さんといろいろな話をする。
新しいランドグッズのアイディアや、デザインについてのこと、ご家族のこと。

大西さんは昔、ハビー・ハンコックのレコードジャケットのイラストを描いたことがある。
これは大西作品を大変気に入ったハビー・ハンコック本人の希望だったらしい。
レコードジャケットのイラストが出来上がるとハビー・ハンコックはそれを頭の上に挙げて大喜びしたという。
さらに坂本龍一&カクトウギセッションのレコードジャケットについての裏話。
これは坂本龍一が笑った顔のアップをリアルにエアブラシを使って描きあげたものなのだが、

 「坂本龍一は笑わなくってね。後ろから羽交い絞めにしてくすずって
  ようやくあの顔が撮れたたんだよね。クックックッ。」

モスモスを編集していた藤原大作さんも書いていたが、大西さんは本当にクックックッと笑う。
悪戯っ子が何かをたくらんでいるかのようなこの笑い方は大西さんにすごく似合っているように思えた。
事実大西さんは次にランドをどう変貌させていくか密かにたくらんでいる。
 「来年は木の実を使って・・・」
などこっそりその計画を教えていただいたが、ランドオープンまでオフレコとのこと。
フタを開けてビックリさせるためだ。

空色さんがランドを立たなければいけない時間になってしまった。
空色さんは皆に見送られてレンタカーで消えていった。

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